導入
はじめまして。私は関西最強社会人チーム「SIEGSPORTS」の代表、ミッチェルです。
32歳で100mを10秒66、そして34歳の今年も10秒80まで記録を出しています。
先日、富山県で行われた実業団プレミアムチャレンジという試合に出場し、100mの後半でⅠ度の肉離れをしてしまいました。原因はおそらく力みです。
陸上選手にとって肉離れは珍しくないケガです。今回は、同じケガに悩む選手に向けて、私自身の「リハビリ方法」と「メンタルの保ち方」を共有し、少しでも支えになれればと思います。
肉離れ(Ⅰ度)の段階別リハビリプラン
第1期:炎症期(受傷〜3日程度)
目的:炎症を抑え、悪化を防ぐ
- RICE処置(Rest・Ice・Compression・Elevation)を徹底
 - 1日数回、15〜20分アイシング
 - 弾性包帯で軽く圧迫し腫れを抑える
 - 歩行は痛みのない範囲でOK
 - 患部のストレッチや強い負荷はNG
 - 上半身や体幹トレで運動感覚を維持(痛みゼロ範囲)
 
第2期:回復期(4日〜1週間程度)
目的:可動域回復と軽負荷での筋活動再開
- 軽いストレッチ(痛みゼロの範囲)
 - チューブでの等尺性収縮(動かさず力を入れる)
 - プールでのウォーキング、軽いバイク漕ぎ
 - 低重量スクワットやランジなど、少し痛みが出るところまで行い、痛みが出たら中断(ミッチェル論)
 - 痛みゼロだけの運動ではリハビリ効果が薄いので、どの動作で痛みが出るかを毎日チェックする
 
第3期:筋力回復期(1〜2週間程度)
目的:筋出力の回復と再発防止
- ブリッジ(ヒップリフト)、軽負荷ランジ
 - 股関節・臀筋・大腿四頭筋の補強
 - 第2期と同様、軽負荷で少し痛みが出るまで動かして確認する(ミッチェル論)
 - 動的ストレッチ、軽いもも上げスキップ
 - 左右差がなくなるように意識して筋力強化
 
第4期:競技復帰期(2〜3週間程度)
目的:スプリント動作の復帰とフォーム調整
- 軽いジョグ → 流し(60〜80%) → 全力走
 - スプリントドリル(もも上げ、スキップ、ランジウォーク)
 - 加速走でハムストリングに負荷慣れ
 - フォーム改善(特に接地位置と力みの抑制)
 
食事・サプリメントでの回復サポート
栄養ポイント
- タンパク質:体重×1.5〜2g/日(鶏胸肉、卵、魚、大豆製品)
 - ビタミンC:コラーゲン合成を促進(キウイ、柑橘類、パプリカ)
 - オメガ3脂肪酸:炎症軽減(サーモン、アマニ油、くるみ)
 - マグネシウム:筋収縮・神経伝達をサポート(ナッツ、海藻)
 
サプリメント例
- ホエイプロテイン(運動後30分以内)
 - ビタミンC+コラーゲンパウダー(朝・夜)
 - オメガ3(EPA/DHA)サプリ
 - マルチビタミン&ミネラルで不足分を補う
 
メンタル面の乗り越え方
- 目標の再設定:今できること(柔軟性、体幹、フォーム改善)に集中
 - 記録の活用:痛みや可動域の変化を毎日記録
 - 仲間とのつながり:練習を見に行き、コミュニケーションを保つ
 
ケガの時期を「成長のための準備期間」と捉えることで、復帰後のパフォーマンスは大きく変わります。
まとめ
Ⅰ度肉離れは軽度でも再発しやすく、焦りは禁物です。
段階的なリハビリ、少し痛みを伴う負荷確認(ミッチェル論)、そして食事・栄養管理によって、競技力を落とさず復帰が可能です。
この経験が、同じようにケガに悩む選手の力になれば嬉しいです。